相続コラム
胎児の相続権
2016年12月06日
胎児の相続権
母親のお腹の中にいるときに不幸にして父親が亡くなりました。出生前の胎児に相続する権利はありますか?
民法は、権利や義務の主体となり得る資格のことを「権利能力」と呼んでいます。権利能力は、人と法人に認められています。人は、出生と同時に権利能力を有し、死亡により権利能力を失います。従って、出生前の胎児には、権利能力は認められていません。
しかし、相続についてだけは例外とされています。民法は、「胎児は、相続に関しては、すでに生まれたものとみなす」と規定して、胎児の相続権を認めています。これは、胎児は出生により自然人となりうる蓋然性が高いこと、また、出生の前後で相続権の有無を区別するとなると、例えば、父親が死亡する1日前に生まれていれば相続人となり、1日後であれば、相続人とならないといった不合理な結果を招くことになってしまうからです。
なお、胎児が死亡してしまった(死産)場合には、相続権は認められません。また、胎児が相続権を有するといっても、現実の遺産分割協議等は、胎児の法定代理人によってなされることになります。
Copyright(C) 東愛知新聞平成28年11月11日号掲載
母親のお腹の中にいるときに不幸にして父親が亡くなりました。出生前の胎児に相続する権利はありますか?
民法は、権利や義務の主体となり得る資格のことを「権利能力」と呼んでいます。権利能力は、人と法人に認められています。人は、出生と同時に権利能力を有し、死亡により権利能力を失います。従って、出生前の胎児には、権利能力は認められていません。
しかし、相続についてだけは例外とされています。民法は、「胎児は、相続に関しては、すでに生まれたものとみなす」と規定して、胎児の相続権を認めています。これは、胎児は出生により自然人となりうる蓋然性が高いこと、また、出生の前後で相続権の有無を区別するとなると、例えば、父親が死亡する1日前に生まれていれば相続人となり、1日後であれば、相続人とならないといった不合理な結果を招くことになってしまうからです。
なお、胎児が死亡してしまった(死産)場合には、相続権は認められません。また、胎児が相続権を有するといっても、現実の遺産分割協議等は、胎児の法定代理人によってなされることになります。
Copyright(C) 東愛知新聞平成28年11月11日号掲載
Posted by ミューズな4人 at 10:36│相続コラム